COST / BREAK-EVEN RETURN
取引コストの損益分岐点は何%?
手数料負けしない値幅を計算
利益が出る最低ラインは、買値に戻ることではありません。スプレッド、往復手数料、保有コストを回収して、初めて損益がゼロになります。異なる金融商品も取引金額に対する割合へ直すと比較できます。
結論:総コストを取引金額で割る
概算損益分岐率(%)= 往復の総コスト ÷ 取引金額 × 100定額・固定値として把握できるコストを使う簡易式です。売却代金に応じて変わる手数料は、実際の売値で再計算します。取引金額10万円に対して往復コストが800円なら、概算損益分岐率は0.8%です。値上がり率が0.5%では500円の粗利益に対して800円のコストがかかり、差し引き300円のマイナスになります。
取引金額10万円の損益分岐早見表
| 往復総コスト | 取引金額に対する比率 | 回収に必要な値幅 |
|---|---|---|
| 100円 | 0.10% | 100円超 |
| 300円 | 0.30% | 300円超 |
| 500円 | 0.50% | 500円超 |
| 800円 | 0.80% | 800円超 |
| 1,500円 | 1.50% | 1,500円超 |
「値幅」は保有全体の評価額が増える必要額です。1株あたりの必要値幅を求める場合は、総コストを保有数量で割ります。
1株・1通貨・1枚あたりへ直す
1単位あたりの必要値幅 = 往復総コスト ÷ 保有数量往復コスト800円で100株なら1株8円、1万通貨なら1通貨0.08円(8銭)が概算の回収ラインです。先物やCFDでは、価格が1単位動いたときの損益が商品ごとに違います。その場合は総コストを1ティック・1ポイント当たりの損益で割り、必要なティック数やポイント数へ換算します。
商品ごとに総コストへ含めるもの
| 商品 | 主な売買コスト | 保有時に確認するコスト |
|---|---|---|
| 国内株 | 売買手数料、信用取引の諸費用 | 信用金利、貸株料、品貸料 |
| 米国株 | 売買手数料、為替コスト、現地費用 | 円換算時の為替変動 |
| FX | スプレッド、取引手数料 | スワップポイント |
| CFD | スプレッド、取引手数料 | 金利・価格・配当調整額 |
| 先物 | 往復手数料、取引所関連費用 | 限月、SQ、ロール時の価格差 |
| 暗号資産 | スプレッドまたは売買手数料 | 資金調達料、送金・出金費用 |
保有日数が延びると損益分岐点も動く
金利やファンディング料のように日数で増える費用は、決済日を決めずに固定値として扱えません。取引時点のコストに、想定保有日数分の費用を足します。
総コスト = 売買時コスト + 1日あたりの保有コスト × 保有日数受取となる調整額はマイナスのコストとして扱えますが、将来も同額とは限りません。値上がり率と手取り利益率を分ける
価格が1%上がっても、往復コストが0.8%なら手取り利益率は概算0.2%です。さらに税金や為替変動があれば、口座上の最終損益は変わります。商品を比較するときは「手数料無料」という表示ではなく、同じ取引金額と保有期間で総額を揃えます。
損益分岐点は利益目標ではありません
損益がゼロになる境界を示すだけで、値上がりや約定を保証するものではありません。スリッページ、急変時のスプレッド拡大、税金など計算外の要素もあります。
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